「時間」を視ることはできるだろうか?
藤井保の「人為・静」、瀧本幹也の「自然・動」2人の個性がコントラストを際立たせる、写真家による映像作品。
写真を使い、時空が交差する作品を制作する現代美術家の木村恒介。
捉えられた「時間」から広がる私たちの想像。
木村恒介
1982年生。2007年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業の後、09年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現修了。2015年、ポーラ美術振興財団研修員としてドイツ滞在。現在はドイツ・デュッセルドルフを拠点に活動。
建築を学ぶ中で建築、人、それらをとりまく「風景」を強く意識するようになり、「風景とはなにか」をテーマに制作をスタート。Tokyo Midtown Awardで凖グランプリを受賞した巨大なミラーを使ったインスタレーションで脚光を浴びる。また、自ら撮影した「Woven Photo」という技法を使った作品を発表。「風景」「ポートレイト」「建造物」「静物」のシリーズで、国や人種など場所性があぶり出されるような作品、構造物のダイナミズムが強調される作品を制作。
今回も「Woven Photo」のシリーズで、フランスで撮影された同じ場所のモノクローム写真を2枚使い、緻密に計算された幅でカット、それを編み込んでイメージを再構築した時間と空間が交差する作品を展示。
主な展覧会に2011年「東京ミッドタウンアワード」(東京)、2012年「水と土の芸術祭」(新潟)、2014年「第一回クリエイションの未来展 清水敏男監修 エーテルの呼吸展」LIXILギャラリー(東京)、2017年「Walter Koschatzky Kunst Preis 2017」MUMOK(ウィーン、オーストリア)、2018年「Eine Vage Erinnerung」デュッセルドルフ市庁舎(デュッセルドルフ)、2019年「ポーラミュージアムアネックス展」ポーラミュージアムアネックス(東京)など。
瀧本幹也
1974年生。94年より藤井保氏に師事。98年に独立し瀧本幹也写真事務所を設立。
広告写真をはじめ現代美術や、映像では映画やコマーシャルフィルムなど幅広い分野の撮影を手がける。広告写真では東京ADC賞、ニューヨークADC賞 GOLDなど、映画撮影では是枝裕和監督映画作品で第39回日本アカデミー賞最優秀撮影賞、第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞などを受賞。各ジャンルに於いて国内外で数多くの受賞歴がある。
自身の作品では、現代デザインの基となったドイツの造形学校バウハウス・デッサウを、抽象絵画のような独特な構図で捉えた「BAUHAUS DESSAU」。地球・自然の壮大さと、人類による先端文明である宇宙産業の造形美との相似形に着目し、「LAND」「SPACE」と対峙させ、新鮮さと畏敬の念を与えるシリーズが特に知られている。
今回は、地球のダイナミックな活動を絵画的に捉えた映像「SURFACE」を展示。俯瞰した視点から撮影された海の、深い青と白波のコントラスト、波の動きが観る者を圧倒する。
主な展覧会に2005年「BAUHAUS DESSAU∴MIKIYA TAKIMOTO」スパイラルガーデン(東京)、2007年「SIGHT SEEING」東京タワー(東京)、2011年「Louis Vuitton FOREST PHOTO EXHIBITION」ルイ・ヴィトン六本木ヒルズ店(東京)、2017年「FLAME / SURFACE」CANON GALLERY S (東京)、2018年「CROSSOVER」ラフォーレミュージアム原宿(東京)、2018年「建築×写真 ここにみに在る光」東京都写真美術館(東京)など。
藤井 保
1949年生。76年に藤井保写真事務所を開設。日本の写真界を牽引してきた写真家のひとり。欧米的かつ前衛的なイメージが溢れた時代に、それとは一線を画してより日本的なアイデンティティ、イメージを探究し表現してきた。被写体の本質に触れるような、独自の空気を纏ったその表現は、作品のほかにも広告界、映像界の各賞を常に受賞するなど広く称賛されている。
自身の作品では、撮影場所に一人で赴き長期に渡ってシャッターを切るその時を待ち、被写体になる物にじっと向き合い表情を引き出す。渡り鳥の飛翔を絵のような作品にした「BIRD SONG」、深澤直人氏のプロダクトデザインの輪郭を、風景のような視点で切り取った「THE OUT LINE - 見えていない輪郭」などの代表作がある。
今回は、近年ヴィジュアル的なイメージにとどまらず、より社会的メッセージが内包される作品を手がけるようになった藤井の新作を展示。発電所の煙突と煙を捉えた「FUKUSHIMA 2020」。よく視ると動いている写真のよう画は、今なお継続している原発に関する現状を静かに喚起させる。
主な展覧会に1998年「LE CORBUSIER」アークヒルズクラブ(東京)、「月下海地空」semina rerum(チューリッヒ)、2003年「旅する写真」リクルートギャラリー(東京)、2009年「THE OUTLINE - 見えていない輪郭 - 深澤直人・藤井保」21_21デザインサイト(東京)、2013年「Naoto Fukasawa × Tamotsu Fujii Medium」シュシュインスティトゥート(台北)、2018年「私が見たもの、出会った人」CANON GALLERY S(東京)ほか多数。
概要
- 日時
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2020年02月06日(木)-2020年02月23日(日)
- 会場
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MA2Gallery
東京都渋谷区恵比寿3-3-8
入場料: 無料
休廊日: 月曜日